投稿者「baanmay」のアーカイブ

ไข่เจียว タイ人のソウルフードの一つ

サワーディカップ!
みなさんいつも有難うございます。
今日はタイ人のソウルフードと言っても過言ではないのではないかと思う一皿をご紹介します。

その名もไข่เจียว(カイチヨウ)と呼びます。
カイジャオと書かれる事が多いようですが、
発音的にはカイ・チヨウが正しいように思います。

カイは卵。
チヨウは揚げる(油の中で泳がす)。
ガーリックを揚げた
ガーリックチップなどはガティアムチヨウです。
ガティアム(ガーリック)、チヨウ(油の中で泳がせる)という具合です。

作り方もシンプルです。
基本卵とナンプラーがあればできてしまいます。
なぜにそんなものがソウルフードといえるのか?
それは、タイ人の台所に必ずあるのが卵とナンプラーだからでしょう。

下の動画でも説明されていますが、
お金に困ったときでも、
家に何も材料がないときでも、
料理が得意じゃなくても、
どんな時でも、
カイチヨウは簡単にできるというのが大きい理由でしょう。

タイは今や日本を追い抜くくらいの勢いです。
昔の後進国のイメージは皆無です。
裕福な中流層も増えました。
町のスーパーマーケットには様々な外国からの食材も揃います。

そういう意味では、ソウルフードだった存在も実際は昔ほどではなくなってきているかも知れません。
昔なら、生まれた後の赤ちゃんが離乳食を離れた後は最初にカイチヨウを食べることが多かったんじゃないかとメイは言います。

僕もタイで暮らした子供の頃を振り返ると
だいぶカイチヨウを食べた記憶があります。
作るの簡単と書きましたが実際は奥深いです。

熱く熱したフライパンで、文字通り油の中で泳がすように作るわけですが、油が多すぎてもいけませんし、少なくても美味しくなくなります。

また、中身の具が増えると味が雑になります。
豚ひき肉の入ったカイチヨウムーサップなどもありますが、下手なところのは油ギトギトで食べれたものじゃありません。
シンプルなカイチヨウが美味しいところを見つけましょう。

そんなカイチヨウの作り方について、上手に説明されている動画があったのでご覧ください。
美人なパイさんという方のチャンネルです。
他のレシピ動画も中々参考になりますよ。

この動画では大量の油を使う方法とそうでない方法を紹介しています。
家庭によって様々ですが、うちのメイのはどちらかというと揚げないスタイルが近いですね。
メイの場合は、中にナンプラー以外にも幾つかいれているようです。

美味しいタイ料理屋さんの探し方

先日メイがこんな事を言っておりました、
「今はどうか知らないけどタイは昔から料理は女性が作るもの」

どこの屋台や食堂に行っても料理は女性が作るもので、
中華街の中華系のタイ料理ならまだしも
タイ人が作るタイ料理の台所には女性が立つのが当たり前だというのです。

それなのに日本に来たら、どこのタイ料理屋に行っても
男性の料理人ばかりで物凄い違和感を感じたそうです。
そんなところから今回の表題をつけてみました。

最も、タイも最近は目まぐるしい変化をとげています。
バンコク市内は最早日本など霞んでしまう程の
先進国を先駆けているような姿になっていますし、
観光客や欧米諸国の駐在富裕層たちが繰り広げる
レストランなども増えています。

ホテルに雇われてましたという、
シェフ修行をしてきた事をステータスにしてるような
男性シェフもたくさん増えているのでしょう。
しかし、タイ人のソウルフードたる
本当のタイ料理を食べたいなら
女性が料理をしているお店を探せという事に
間違いはないのではないかと思います。

タイに行くとレストランや食堂の名前に
ジェー何とかというお店を時々見かけます。
ジェーとはお姉さんみたいな意味です、
ジェージャスミンとかいう食堂があったとしたら、
ジャスミン姉さんの食堂的な意味合いになります。
そういう訳で、タイにいったらジェーという名が入る
お店を探してみるのは一つの方法かも知れません。

あと、バーン何とか、うちはバーン・メイですが、バーンとはお家という意味です。
家族でやっているお店が多いかも知れません。
家族経営のお店というのは、お母さんやお父さんが
代々お料理を受け継いできている事が多いかも知れません。
日本にあるバーン何とかというのは、
単なる屋号的な意味合いが強そうなので
あまり意味はないかも知れません…

最近は、ホテルで修行したという箔をつけて
日本にやってくる男性料理人が多いのですが、
見栄えばかりで中身がないという事が多いかも知れませんね。

そういうホテルを経た料理人の全てが悪いとは言いませんが、
タイ人が日常で食べているタイ料理を出しているお店かどうか
と考えると観光客向けの余所行きのタイ料理が出てくると考えた方が良さそうです。

もっとも観光客向けの料理が好きなんだという方も多いかと思います。
それはそれで良いと思います。
そういう方は当店には向かないので是非他のお店へいらしてください(笑)

ピーナッツがタイに渡ったのはいつ頃?

メイの料理にはピーナッツがたくさん登場します。
マッサマンカレー、ソムタム、激辛サクラ麺、パッタイ、ムーサテ…
お料理に添える彩りとしても使っています。

一回に4kg ほどの皮付きのピーナッツを中華鍋に入れて、およそ1時間近く炒ります
その後、乾燥させて水分を飛ばすために、
晴れた日は外に出し天日干し、
曇りの日には室内で時間をかけて干します。
そして皮をむくのですが、このときに粒の小さいもの、
欠けているもの、そうでない丸々とした形良いものとを分ける事もしています。
最後に丸々とした見栄えの良い粒でないものを臼で叩き潰します。

最初の頃、ミキサーを使ったら早いのにと指摘したら、
ミキサーだと粒が揃ってしまい食感が悪いし香りが悪くなると怒られました。

このピーナッツの下ごしらえだけで3時間以上はかかっていると思います。

たかがと思っていたピーナッツはされどな食材でメイはとても手間暇をかけています。
このピーナッツ、タイにいつ頃から根付いたのか気になり調べてみました。


そもそもピーナッツはどこからやってきたものなのでしょうか?
漢字落花生学名Arachis hypogaea英語: peanut または groundnut (Wikiより)


落花生の原産はもともと中南米が発祥のようです。
その起源は、英語の資料によると3〜5千年前くらいまで遡るようです。
有名なマヤ文明、インカやナスカなどがぱっと思い浮かびますね。

この地域を起源として、その後どのように展開するのでしょう。
日本のウィキペディアには要約するとこんな風に書かれています。(以下、茶色部分)

ラッカセイの原産地は南アメリカ大陸で、最も古い出土品は、紀元前2500年前のペルー。
その後、メキシコには紀元前6世紀までに伝わっていた。(北上したんですね)
16世紀のスペイン人修道士の記録ではアステカ族はラッカセイを食糧ではなく薬と考えていた
カリブ海の島々でもピーナッツの栽培は行われており、そこでは重要な食糧とされていたという。

大航海時代の始まりで、ピーナッツはヨーロッパにも紹介された。
しかし、土の中で成長するピーナッツはそれまでのマメ類の常識とはかけ離れた、奇妙な存在と感じられた。気候もあまり適さないことから、ヨーロッパでの栽培はあまり行われなかった

南アメリカ以外にピーナッツの栽培が広がったのは16世紀中ごろである。ポルトガルの船乗りたちが西アフリカ-ブラジル間の奴隷貿易を維持するためにアフリカに持ち込んだのが始まりで、そのまま西アフリカ、南アフリカ、ポルトガル領インドに栽培地が広がっていく。ほぼ同時期にスペインへ伝わったピーナッツは南ヨーロッパ、北アフリカへと渡っていく。さらにインドネシア、フィリピンへの持ち込みもほぼ同時期である。

Foods that Changed History によると、16世紀に入るとピーナッツはポルトガルからインドへ、さらにはペールからスペインに持ち込まれたものがマレーシアに伝わった後に、17世紀頃、スペインからフィリピン、インドネシア、中国、日本という形で伝わったとあります。当時の東南アジアの人々はピーナッツを轢いたものをご飯やお肉やお野菜のソースにしていたようです。他にもピーナッツは、唐辛子やココナッツミルクやライムやお野菜などと合わせて食べられていたとあります。1690年にはオランダ人によりピーナッツがインドネシアに紹介されたとあります。この17世紀あたりにピーナッツは中華料理に取り込まれたようです。インドネシアやタイでは串に刺したお肉にピーナッツのソースがかけられたのもこの頃だったようです。

いわゆるコロンブス交換が起きたということですね。
16世紀半ばからピーナッツの利用はは一気に世界へと拡大したようです。

日本には東アジア経由で1706年にピーナッツが伝来し、「南京豆」と呼ばれた。ただし、現在の日本での栽培種はこの南京豆ではなく、明治維新以降に導入された品種である。

中南米発祥の古代まで遡る食材がタイにやってきた道のりをもう少し調べました。

カセサート大学の教授 Supachat Sukharomana先生とBencharat Dobkuntod先生が、ジョージア大学人類学部との協力を得てまとめた報告書「Peanut in the Thai Food System: A Macro Perspective」の中から幾つか興味深い点を引用したいと思います。

いつ頃からがタイの食体系においてピーナッツが欠かせないものとなったのかについては明確になっていないものの、およそ400年前に持ち込まれた事が最初なのではないかと考えられているようです。400年前というと、日本は江戸時代くらい、タイには山田長政が渡って少し経ったくらいでアユタヤ王朝の後期くらいでしょうか。

タイ料理で最も重要な辛味の元である唐辛子
こちらも原産は中南米ですが、もう少し遡って大航海時代には
周辺諸国を経由してタイに伝わっているようです。
辛くないタイ料理と辛いタイ料理が誕生するのもこの頃ですね。
唐辛子については、また別の機会に何か書きたいと思います。

それからしばらく、1854年のフランス人宣教師の報告書にタイの東部に位置するチャンタブリー県でピーナッツが栽培されていた記録が見つかっています。この頃はラーマ1世による統治で、現在まで続くチャクリー王朝(ラッタナコーシン王朝)がはじまって間もないときです。

1929年には国内消費用にピーナッツを輸入したという記録が見つかります、さらには1932年に商務省からインドでのデータを元にしたピーナッツの栽培方法を記した印刷物が刊行されています。1947年には、バンコクの近くにある、チャチューンサオプラーチーンブリー(メイの実家はお隣の(左)ナコーンナーヨック県)の両県にて商業的なピーナッツの栽培が始まります。栽培地はその後東北が主要な栽培地として拡大していきます。

こうして歴史を調べてみるとピーナッツ栽培そのものの歴史は150年くらいのようですね。
ピーナッツの消費は1986年がピークで現在はアフラトキシン汚染の問題により消費に減少が見られます。アフラトキシン汚染は、強い発癌性を持つカビ毒で、ピーナッツに限らず高温多湿なタイでは穀物に及ぼす影響は深刻ですが摂取量が少なければ問題はありません。

バーンメイのピーナッツは千葉県産の落花生を中心に使用しておりアフラトキシン汚染については心配ありませんのでご安心ください。

タイにおいても最近は例えば通気性乾燥床を持つビニールハウス乾燥装置などを導入したり、少しずつ防カビ対策が進んでいるようです。食の安全についてもだいぶ見直されてきています。

味だけではなく健康と食に対する安全を考えているかお店か否か、お店の姿勢を見ることが重要ですね。

話がそれてしまいましたが、こうして普段何気なく食べている食材の歴史を探ってみると色々なことが見えてきて面白いですね。大航海時代にコロンブス交換とこの辺りでアジアの食文化は大きく進化しはじめたのかも知れませんね。

また機会があったら他のタイの食材の歴史でも調べてみようと思います。
それでは今回はこれで失礼致します。

レモングラスという言葉を忘れてください。

タイ料理を召し上がっている最中に「この香りが良いわよね〜レモングラス好きだわ〜」
かなりの頻度と確率で聞こえてきます。

その度にうちのメイは「ケッ」という半ば呆れ顔になり…
日本人はレモングラスしか知らないのかと嘆きます(笑)

日本の皆様にはなぜか当たり前のように
“レモングラス”という言葉が浸透していますね。
しかしながら、レモングラスはタイ料理にはあまり使われていません。

レモングラスが使われるお料理が、トムヤムクンだからかも知れませんね。
当店にいらっしゃるお客様には、これもいつもご説明していますが、
日本人が思うほどタイ人はトムヤムクンも飲みません。

ですので、レモングラスは、普段タイ人が口にする料理には殆ど登場しません。

ときどき見かける不味いトムヤムクンを出すお店のレモングラスは、
上の画像のように、先の硬くなった色もうす茶色の古いものが多いですね。

本来のレモングラスはこの上の画像のように、瑞々しく青く根っこは白くふくらんでいます。
固すぎなく、程よく包丁がはいります。根っこの部分を輪切りにて食べると美味しいです。

こちらは当店で時々出しているレモングラスとコブミカンのレタス包みです。
輪切りになっているのがレモングラスです。

では、最初に話を戻しますが、訪れる皆様が美味しいタイの香りと思っている香りは何でしょうか?

それはコブミカンの香りです。

コブミカンこそレモングラスなんかより遥かにタイ料理に頻繁に使われているハーブです。

それこそトムヤムクンにも、グリーンカレーにも、炒め物にも何にでも入っています。
葉っぱのままの場合もあれば千切りになっていたり、
乾燥させて粉末にしたスパイスなど、様々な形でタイ料理に登場します。

コブミカンの葉っぱをタイ語ではバイ・マックルーと呼びます。英語ではKaffir Limeです。

レモングラスという言葉を忘れてください

コブミカンの葉っぱ(バイ・マックルー) こそが、タイ料理の代名詞です。

パクチーブームとパクチーの真髄

テレビを見ていると間違えたタイ料理がじゃんじゃん紹介されるので辟易します。
昨今はパクチーブームというのもあって、パクチー鍋をやるお店等が出てきたりと本当にどうしようもないですね…

パクチーは付け合わせであり薬味です。
お店で何度も私のこの説明を聞いている方もいらっしゃいますが、度を超えたパクチーの使用はただ料理を台無しにするだけです。これまた必ずパクチーの話をするときに付け加えるのですが、日本人にとってのシソの葉やミョウガなどで鍋にしたりしますか?シソやミョウガをカレーライスにいれますか?日本のソース焼そばにシソやミョウガをもりもりで入れますか?

入れないですよね…

タイ料理にも絶対にあわない組み合わせがあります。
タイ人からみたら考えられないありえない組み合わせが平気でテレビに出たり
人気店とされるタイ料理店で出されています。

絶対にない組み合わせ、タイのカレー、これはどのカレーでもそうです。
グリーンカレー、レッドカレー、イエローカレー、レッドカレー炒めなど、
すべてのカレーに対してパクチーはいれてはいけません。

もう一つ入れているのがおかしい料理、パッタイやパッスィーユーやパッキーマオなどの
焼そばにパクチーはのせません。

パクチーをいれて良い料理を考えた方が手っ取り早いですかね、いれて良い料理はサラダ、スープ、汁を使う麺のみと断言しても良いかも知れません。付け合わせとしてはもう少しバリエーションがありますが基本タイ料理は様々なハーブを使った料理です。そのハーブがメインの料理なのにパクチーをいれてハーブの香りを消してしまったら元も子もありませんので薬味と付け合わせと彩りを考えて適量を間違えないようにお願いしたいですね…

もっとも日本でいう人気店にタイ人の客が食べにいっているのを見かける事は殆どありませんが…

当店はそういうタイ人が入らないお店ではなくタイ人が遠くからでもわざわざ食べに来てくれるお店でありたいと思います。

早くパクチーブーム終わらないものかしら…